注:プラセンタ関連で効果効能が国から認められているのは「プラセンタ注射」を「更年期障害・乳汁分泌不全・肝機能障害」の治療目的で利用した場合のみです。この場合は保険の適用も可能です。シワやたるみに対しては、プラセンタ研究を進めている医師が薬理作用を確認したという段階です。
小ジワ・浅いシワの原因とプラセンタの効能
まずは、小ジワ・浅いシワに関しての発生原因・理由とそれらに対してどのようにプラセンタが有効に働きかけていくのかを見て行きたいと思います。
小ジワの発生は表皮にある角質層の劣化が原因です。4層~5層からなる角質層では保水や皮脂の分泌が行われていますが、その機能が低下して乾燥しだすと小ジワの発生原因となります。
健康的な肌(赤ちゃんのようなプルプルしたお肌)には角質層の中で以下の三つの成分がバランスよく調整されています。
- 水分
- 皮脂
- 自然保湿因子
プラセンタの働き
まずプラセンタには上記三つのバランスを適度に整えて乾燥肌になるのを予防したり、乾燥肌を改善する作用があります。
更に「保湿作用」が有りますので潤い不足のお肌に潤いを与えてくれるとともに、「組織代謝促進作用」が皮脂の分泌を適切にしてくれますので皮脂不足による諸症状を改善してくれます。この結果として小ジワや浅いシワであれば綺麗に消えることが多々あるのです。
深いシワ・たるみの原因
浅いシワ・小ジワは表皮の一番上にある角質層での問題でしたが、深いシワやたるみはその奥にある真皮の問題で発生します。下記に表皮と真皮の図を用意しています。
真皮の組織は上記画像のように示されたコラーゲン(図の緑色の線)が格子状に存在し、その接合部分を弾力線維のエラスチンが固めています。そして格子の所にはヒアルロン酸などの水分がたっぷりと含んだゼリー状の組織で埋めつくされています。
これらが正常に働いている時にはシワのないプルプルでハリ・ツヤのある綺麗なお肌を保つことが可能です。また、このブルブルお肌の元であるコラーゲンやエラスチン・ヒアルロン酸は繊維芽細胞で生成されます。
根本的に言えば、繊維芽細胞の活動が活発であれば「コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸(以下3つ同時で使う時はコラーゲン等で表記)」は常に新しいものに入れ替わりますから若々しい状態を作れます。
しかし加齢により繊維芽細胞の働きが衰えると当然「コラーゲン等」の生成量も低下します。上述のように弾力性や瑞々しさの源であるコラーゲン等が減りますから、深いシワやたるみができやすくなるわけです。
また加齢の他に、ここでも【紫外線からの活性酸素の発生】が真皮の組織に悪影響を及ぼします。具体的には以下の様な悪影響を及ぼし深いシワやたるみの原因となります。
- 繊維芽細胞の働きを阻害しコラーゲン等の生成を抑制する
- コラーゲンを分解する酵素を活性化させ、コラーゲン量を減らす
- コラーゲン等を酸化させる
深いシワ・たるみにプラセンタ
上記から分かるように深いシワやたるみが出来にくくするためには、とにもかくにも“繊維芽細胞”を活発な状態にしておくことが大事です。
プラセンタには成長因子の一種「線維芽細胞増殖因子(FGF)」が含まれていますので、繊維芽細胞を元気にしてコラーゲン等の生成を促進し、弾力性・柔軟性のあるお肌を取り戻すのに役立ちます。
成長因子は例え少量でも素晴らしい効果を発揮する物質でプラセンタに含まれる成長因子は様々な病気や美容の特効薬に生かせるのではないかと現在研究が進められています。⇒その他の成長因子について知りたい方はこちら。
番外編ーお肌への浸透について
深いシワやたるみの原因は、真皮のコラーゲン等の組織が少なくなることに依存します。
そこでコラーゲンやヒアルロン酸をそのままお肌に浸透させればいいのでは?と思うかもしれませんが、なかなか簡単には行きません。
なぜなら、コラーゲンやヒアルロン酸は分子が大きく真皮まで浸透することが出来ないからです。ですから化粧品に含まれているヒアルロン酸などは真皮まで行き届いていないわけです。
ただ、効果が無いかと言えばそういうわけでもなく、表皮の部分で水分を保持するのに役立ちますので間接的には効果が有るのかもしれません。
よくコラーゲンやヒアルロン酸の分子レベルを小さくして真皮まで浸透させる事が出来ます!的な化粧品が有りますが、分子を分裂させたりして小さくしても効果は非常に限定的になりますので、そういう宣伝はあまり鵜呑みにしない方が良いでしょう。