以前「プラセンタで太った!?それは貴方の勘違い」という記事を書きましたが、今回の記事のテーマは、その逆で「プラセンタでダイエットが出来るのか?」について、見て行きたいと思います。
まずは、そもそも「プラセンタ」で効果が得られると言われている作用のうち「体重増減」に関わる物を取り上げて解説します。
プラセンタの作用のうち「体重増減」に関わるもの
臨床試験の結果、プラセンタには様々な作用が有る事が分かっています。(プラセンタの効果効能)。その中でも「ダイエット・体重」に関係ある作用としては、以下のものが挙げられます。
- 基礎代謝向上作用
- 血行促進作用
- 食欲増進作用 etc
基礎代謝向上作用はダイエットにプラス
そもそも、基礎代謝とは「1日中なにもしていなくても消費されるカロリー」の事。基礎代謝量が大きければ大きいほど、「痩せやすい体・太りにくい体」という事が出来ます。2010年発表の厚労省のデータによれば、成人の平均基礎代謝量は以下のようになっています。
年齢(歳) | 男性の基準体重 (kg) | 男性基礎代謝 (kcal/日) | 女性の基準体重 (kg) | 女性基礎代謝 (kcal/日) |
---|---|---|---|---|
15~17 | 58.4 | 1,580 | 50.6 | 1,280 |
18~29 | 63.0 | 1,510 | 50.6 | 1,120 |
30~49 | 68.5 | 1,400 | 53.0 | 1,150 |
50~69 | 65.0 | 1,280 | 53.6 | 1,110 |
体重がこれくらいなら、これくらいの基礎代謝が有るという平均値です。もちろん、個々人の体重や筋肉量等によっても基礎代謝量は変わりますので、参考程度に利用して下さい。
18歳~29歳ゾーンでは、体重63.0kgで基礎代謝量1,510kcal。一方で、30~49歳ゾーンでは体重68.5kgで基礎代謝量1,400kcal。体重は増えているのに、基礎代謝量は減少している事が分かります。
女性の方では逆転現象が起こってしまっているので、少し分かりにくいですが、それでも15歳~17歳の若い頃と比べると、基礎代謝量が少なくなってしまっている事が分かります。
基礎代謝量が減少しているのに、10代の頃のような食生活を続けているとどうなるのか?
当然、消費されるカロリーよりも摂取するカロリーの方が膨らんでいくわけですから、太ってしまいます。食生活は変えていないのに、体重が増えちゃったという人は、こういう基礎代謝消費量の概念を知らないから太ってしまうのです。
で、プラセンタにはこの「基礎代謝」を向上させる作用が有ることが分かっています。10代の頃と同じレベルとは言わないまでも、プラセンタの基礎代謝向上作用が働けば、プラセンタを飲んでいない時と比べると、痩せやすい体は作りやすくなるでしょう。
血行促進作用はダイエットにプラス
血行促進作用が上手く働くと、血液のめぐりが良くなります。ということは、体の隅々まで栄養素が運ばれて、上手く消化される事を意味しています。また、それにより発汗作用も働きますね。
従って、血行促進作用はダイエットには効果的と言うことが出来ます。
食欲増進作用はダイエットにマイナス
食欲増進作用とは、その名の通り、ご飯をいっぱい食べたくなってしまう作用。
原理としては、プラセンタに含まれる肝細胞増殖因子などの働きで、細胞分裂が活発化し、体の中の組織が若返る。その結果として、体が若い頃のような健康体に近い状態になるので、年を取ってから食べられなくなっていた食材が食べられるようになる、という感じでしょうか。
いずれにせよ、食欲増進作用はダイエットを考えている人にとってはマイナスですね(笑)
結論:プラセンタは痩せやすい体を作るために役立つ部分は有る
結論的には【プラセンタでダイエットが出来ますよ!!】とは言えません。確かに、基礎代謝向上作用が有るので、痩せやすい体の土台作りは出来ますが、あくまでも基礎代謝量が向上するだけです。
また、向上すると言っても限界が有ります。例えば、先ほど示した表では、30~49歳女性の標準的な基礎代謝量は1日あたり1,150kcalとなっていましたが、プラセンタを飲んだからといって、これば倍の2,300kcalになるなんて事はあり得ません。
せいぜい、15~17歳の1,280kcalに近づく程度のレベルと思って下さい。(もちろん、個々人により差は有りますが。)
上記の事を踏まえて、プラセンタをダイエットに役立てるのであれば、有りといえば有りなのかなぁという感じですね!本当に痩せたいのであれば、継続的な運動を行い、食事制限も行って、消費カロリーが摂取カロリーを上回るように調整する必要が有りますね!