私達人間は【生】という言葉に非常に弱いですよね。というか非常に敏感です。主婦の方だったら、例えば【生野菜】と言われると、フレッシュな感じがして思わず手に取ってしまいませんか?
ビールが好きな方も取り敢えず【生ビール】でクゥーっといきたい!なんて人も多いのではないでしょうか。このように日本人は【生】という言葉がつくとそれだけで【新鮮・安全・高品質】というイメージを思い浮かべてしまいます。
しかし、これってプラセンタサプリメントでも同様の事が言えるのでしょうか?
【生プラセンタサプリメントは安全なのか?】
今日は、この問題について考えていきたいと思います。
生プラセンタサプリを販売している会社の主張
まずは【安全性】が疑問視されている「生プラセンタサプリ」を実際に販売している会社の主張について見て行きたいと思います。
多くの生プラセンタサプリ販売業者は製造工程において加熱処理を行っていないため、加熱処理した場合と比べると有効成分が失活しない事を主張しています。両者を比較すると、プラセンタ特有の成分である成長因子EGFの量は60倍もの差が出るため、美白やシワ改善に生プラセンタが非常に有効ですよ!と宣伝しています。
また安全面に関しても、「加熱しなくても99%以上の除菌が出来る特殊な製法により有効成分を壊すこと無く安全性を高めました!」というような主張が多いです。
果たしてこの主張を鵜呑みにして良いのでしょうか?
確かに、プラセンタに含まれているアミノ酸であったりEGFやFGFなどの成長因子は、加熱処理をした場合と比べるとかなり含まれていると思います。加熱処理しないのですから当然のことです。
しかし、安全性に関してはどうでしょうか?
プラセンタ注射に使われるエキスは加熱処理されたもの
日本でプラセンタ注射に使用できるプラセンタは【ヒト胎盤抽出物】だけなのですが、このプラセンタ注射に使用されるエキスは必ず加熱処理されたものです。
さらに言えば、血液が混入しないようにその辺りの検査も何重にも行いますし、加熱処理も121度の高温で30分かけて滅菌するそうです。それもこれもやはりウィルスを完全に滅失させなければ感染症のリスクが少なからず有るからです。
これだけ安全性に配慮したプラセンタエキスを利用したプラセンタ注射でも、日本では一度プラセンタ注射を受けてしまうとその人は献血が出来ません。それはやはり他人の臓器抽出物を体内に取り込んでいることから、多少なりとも感染症等が発生するリスクが有ると日本政府が認識しているからです。
ちなみに、プラセンタサプリは摂取しても献血が出来なくなる事は有りませんのでご安心ください。
更に言えば、有効成分を壊さずに99%以上の雑菌を除去した!という宣伝文句も有効成分は壊してないなら一番危険なウィルスも当然壊されていないのでは?
そもそも、そんなことが出来るなら多くの業者がわざわざ有効成分を失活させてしまう加熱処理を選ぶわけが無いのでは?と思ってしまいます。
結論ー安全性には注意すべき!
生プラセンタに関しては、各都道府県の保健所でも対応が分かれているようで、現状では何の規制も行われていない状態です。従って安全か安全でないかを国が明確に保証している生プラセンタ商品は有りません。
確かに、有効成分がほぼ壊れていないという話を聞くと良さそうに聞こえますが、個人的には有効成分が少なくなってもいいから加熱処理をした商品を選ぶ方が良いかなと思います。加熱処理をしているプラセンタサプリでも翌朝のお肌のプルプル感は、飲んでいない時と比べると効果は感じられるのでそこまで無理して生プラセンタを選ぶ必要も無いかなという感じです。
今はまだ生プラセンタサプリを飲んでいる人からの健康被害などの報告は無いようですが、用心するに越した事は有りません。現時点ではやめておいたほうが良いのではないでしょうか。
もし実際に生プラセンタサプリメントを摂取しようとしても購入前に販売会社に対して「なぜ安全なのか?」の根拠を明確に質問して納得した上で購入したほうが良いと思います。もちろんその時の会社の対応も大事ですよ。今回の記事は以上です。
ちなみにどうしても【生】という言葉を使いたいがために原料を業者から入荷するときには生の状態で貰って、自分の所で製造する過程で加熱処理して、商品販売時には【生プラセンタ】と記載して販売している会社も有るようですよ。
やっぱり【生】と付けるだけで売れ行きが全然違うそうです。このように実は生じゃないのに生プラセンタとして販売している業者も有るので生プラセンタ選びはくれぐれも慎重に・・・・。