今回はビタミンB群のうちの1つビタミンB1のページとなります。ビタミンB群って何か気になる人はこちらの記事で説明していますのでビタミンB6と共に参考にしてください。
参考:ビタミンB6の効能は?つわりに効果有り!必要量を摂取できる食品・料理
ビタミンの種類はビタミンB群だけでなくその他にもビタミンAやビタミンCなど多く存在していてそれぞれ美容や健康を保つ役割を担っています。そこでビタミンB1の担う役割や必要摂取量などを紹介していきたいと思います。
ビタミンB1の役割
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変換する事が主な役割となり、疲れやすい人や運動をよくする人は多めに摂取した方がいい栄養素となります。
それではビタミンB1の役割から生まれる効果についてみていきましょう。
疲労回復効果
摂取した糖質をビタミンB1がどんどん体内でエネルギーに変える事で体にエネルギーが漲り疲労回復の効果を生みます。
この摂取した糖質がエネルギーに変わる過程を簡単に説明すると、糖質は体内で消化されてエネルギーの源であるブドウ糖に分解されます。そしてブドウ糖が血液で体中に運ばれエネルギーに変わるのですが、この際に変換の助けをするのがビタミンB1です。
では、ビタミンB1が不足していた場合全身に運ばれたブドウ糖がどうなるのかというと、エネルギーに変換されずに乳酸に変化してしまい逆に疲労感・倦怠感の原因になってしまいます。
さきほども説明したように、疲れやすい人はビタミンB1不足によりエネルギーに変換されていない事が原因の1つとして考えられ、またよく運動する人はエネルギーが人1倍必要になるためエネルギー生成の為にビタミンB1を多く摂取する必要があるというわけです。
ダイエットに効果的
ビタミンB1は摂取した糖質をエネルギーに変換して代謝するので、ダイエットにも効果を発揮します。
疲労回復の際に説明しましたが、ビタミンB1が不足してしまうと糖質の代謝が悪くなります。糖質は乳酸に変化するだけでなく体脂肪としても体内に蓄えられてしまい体重増の原因になってしまいます。
体内に体脂肪を蓄えないためにもビタミンB1の摂取は大変重要になってきますね。
集中力・記憶力の向上に効果
エネルギーは運動に必要なだけではなく、脳や神経が正常に働くためにも必要です。ビタミンB1を摂取する事で脳にエネルギーを供給し集中力を高めたり、記憶力の向上に効果を発揮します。
逆に不足してしまうとこのような効果が発揮されないばかりか、集中力・記憶力の低下を招いてしまいます。
ビタミンB1が不足した場合や過剰摂取した場合の弊害
上記のビタミンB1の効果の紹介の際に不足した場合の症状について既に紹介した内容は以下の通りです。
- 疲労感・倦怠感の原因
- 肥満の原因
- 集中力・記憶力の低下
これら以外の症状について紹介します。
ビタミンB1が不足するとイライラしやすくなります。アルコールを毎日摂取する人は不足しがちで、運動麻痺や記憶障害などが起こるウェルニッケ症候群にかかる事もあり、これが重症化すると精神病の一種であるコルサコフ症候群になってしまう恐れがあります。
その他にも食欲不振やむくみなどの症状が発生し、これが悪化すると脚気という抹消神経炎の症状があらわれます。
逆にビタミンB1を過剰摂取してもそこまで心配は有りません。なぜなら、ビタミンB1は水に溶けやすいという性質があるため余分に摂った分はその日のうちに排泄されるからです。
必要摂取量
1日にどれくらいビタミンB1を摂取する必要があるのか見てみましょう。
1日当たりに必要な摂取量は成人男性で1.4mg、成人女性で1.1mgとなっています。単位が「mg」なので小さ過ぎてどれだけの食事で必要量を摂取できるかわかりにくいと思いますので、ビタミンB1が多く含まれている食べ物を次に紹介したいと思います。
また後で説明致しますがビタミンB1は調理の過程で失われやすい栄養素なのでギリギリの摂取量を目標にするのではなく、多めに食事に取り入れていく事が必要量を摂取するポイントになります。
ビタミンB1を摂取できる食べ物
ビタミンB1の多い食品と含有量一覧表からビタミンB1が多く含まれる食べ物を厳選して紹介します。その他の食品が気になる人はリンク先でチェックしてくださいね。
100g当たりの食品に含まれるビタミンB1:単位mg
肉類 | 豚ヒレ肉 | 0.98 |
---|---|---|
生ハム(促成) | 0.92 | |
豚もも肉 | 0.90 | |
生ハム(長期熟成) | 0.90 | |
ボンレスハム | 0.90 | |
焼き豚 | 0.85 | |
豚ロース肉 | 0.69 | |
豚ひき肉 | 0.62 | |
ベーコン(ロース) | 0.59 | |
魚介類 | たらこ(焼) | 0.77 |
うなぎ(かば焼き) | 0.75 | |
たらこ(生) | 0.71 | |
こい | 0.46 | |
すじこ | 0.42 | |
いくら | 0.42 | |
海藻類 | あおのり(乾) | 0.89 |
こんぶ(乾) | 0.80 | |
焼きのり | 0.69 | |
その他 | ドライイースト | 8.81 |
インスタントラーメン | 1.46 | |
だいず(乾) | 0.83 | |
きな粉 | 0.76 |
調味料のドライイーストがダントツで1位でした。インスタントラーメンが1.46mgで2位で1日のうちの1食をインスタントラーメンにすると必要摂取量が取れちゃいます。
その他に多く含まれるのは肉類・魚介類となっています。ビタミンB群は葉酸を除いて肉類・魚介類に多く含まれていますので食事メニューに混ぜる事によって必要量を摂取する事ができます。
人気レシピ
ビタミンB1は肉類・魚介類に多く含まれていましたよね。そのなかでも上位に位置する豚ヒレ肉とたらこを使ったレシピを紹介します。
■お肉料理
⇒ズボラうまい(笑)謎の豚ヒレ肉 by fugujoe
ズボラとは放置して美味しく料理できるって意味ですね。調理内容も至ってシンプルでおいしく召し上げる事ができるレシピです。また軽く焼く事と水を通さない事でビタミンB1をそこまで壊す事なく体内に摂取する事ができる優れレシピとなっています。
⇒柔らかい!豚ヒレ肉のさっぱり照り焼き by sweet_dolphin530
出来上がりの写真は本当においしそう!やわらかく仕上がるので小さなお子様でも食べられますね。火をしっかり通す分ビタミンB1は壊れてしまうので、大根のぬか漬け(100g当たり0.33mg)やめんたいこ(0.34mg)などと一緒に食べる事でカバーしましょう。
■たらこ料理(たらこスパゲティ)
⇒☆絶品たらこパスタ☆ by ☆栄養士のれしぴ☆
たらこと言えばたらこスパゲティーですよね。両方ともたらこがパスタにしっかり絡まっててとてもおいしそう。またパスタにもビタミンB1は含まれているのでビタミンB1料理と言ってもいいですね。
摂取する際の注意点・ポイント
ビタミンB1は、水溶性・熱・アルカリ性に弱いという性質を持っています。そのため、料理をする際に食材に含まれているビタミンB1が溶け出したり、加熱調理によって破壊され、口に運ぶ時には既にかなりのビタミンB1が無くなってしまっている場合が有ります。
そのため、食べ物に含まれているビタミンB1の数字だけにとらわれずに、必要摂取量の目安量よりも多く、どんどん摂取するように心がけてください。
特に毎日アルコールを摂取する人は不足しがちになるのでしっかりと摂取しましょうね。
■ポイント
レシピを紹介しましたが料理が苦手だという人の為に簡単に摂取するポイントを1つ紹介しておきます。
ビタミンB1は玄米(100g当たり0.16mg)や胚芽枚(0.08mg)にも含まれています。なので普段の食事を精白米(0.02mg)から玄米や胚芽米に変えるだけで1日の摂取量にだいぶ違いが出てくると思いますよ。