最近良く聞く活性酸素ですが、昔はここまで騒がれる存在では有りませんでした。しかしここ近年研究が急速に進んでおり、今では現代病の90%程度はこの活性酸素によって引き起こされると考えられています。
そこで、ここでは活性酸素とは何なのか、その正体に迫ってみたいと思います。
活性酸素とは
そもそも、私達人間の体が何で出来ているか知っているでしょうか?私たちの体は小さな細胞が結合して出来上がっています。その細胞の数なんと60兆個。
この60兆個全ての細胞において、酸素とブドウ糖などが反応しあって私達が生活するためなどのエネルギーが発生するわけですが、この時、体の中にある酸素の2%~3%は不安定な分子構造を取り、体に害を及ぼす過激な活性酸素になるのです。
ーーーここから少しむずかしい話になりますーーーー
不安定な分子構造とは何か?
不安定な分子構造をとった酸素が過激な活性酸素になると書きました。ではこの不安定な分子構造とは何なのかというと、少しむずかしい話になりますが書いておきます。(私も物理は苦手なので説明が変かもしれません。)
全ての物質は分子から成り立っており、その分子には普通、2個ずつ対になる形で原子が分子にぶら下がっています。この状態を安定した分子構造と言うことが出来ます。
しかし、何らかの刺激によってこの原子が1個になってしまうと不安定な分子構造ということが出来ます。この不安定な分子構造の状態は非常に危険な状態のようで、再び安定した分子構造になりたいために、他の安定した分子構造から原子を奪いとろうとします。
つまり、酸素が原子が一個しかない不安定な分子構造になると大変で、自分を安定した分子構造にしたいがためにその他の分子に対して過激に働きかけるのです。
ここで言う過激な働きとは【酸化】を意味します。
ーーーむずかしい話ここまでーーー
活性酸素の働きと害
ここまでは、活性酸素は【悪】という定義のもとで記事を書いて来ましたが、実は活性酸素は体にとって無くてはならない存在でもあります。
なぜなら、体に入ってきた異物・・・例えば病原菌や有害物質を速やかに解毒してくれるのが活性酸素だからです。しかし、この活性酸素は適正量を維持しておくことが大事で必要以上に体内に発生してしまうと周囲の細胞を破壊(酸化)し様々な害・病気を引き起こす元凶となってしまうのです。
例えばですが、①金属を長期間外に晒しておくとサビが生じる。②りんごを半分に剥いて外気に晒したままにしておくと変色する。といったような事は空気中の酸素による酸化の影響です。
過激な活性酸素はこれらと同じようなことを私たちの体内で行なっていると考えれば分かりやすいでしょう。
活性酸素が増える理由
若い人の場合、この活性酸素は普通に暮らしていれば適正量が維持されている事が多いです。なぜなら、過剰に出来てしまった活性酸素を除去してくれる抗酸化酵素という物質を私達人間は体内で生成できるからです。
この抗酸化酵素の最たるものとして挙げられるのがSOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)ですが、40歳を超える頃、つまり女性であれば更年期にまもなく入ろうかという位の時期にSODなどの抗酸化酵素の生成量が減少してしまうのです。
参考記事:「活性酸素に抗うSOD酵素(スーパーオキシドディスムターゼ)の抗酸化作用」
その結果活性酸素を掃除する抗酸化酵素が減少してしまい、体内には必要以上の活性酸素が残り、体中の細胞に働きかけ(酸化させる)、悪い病気を引き起こすことになります。
年をとると重病にかかりやすいのは活性酸素が体内に過剰に発生しているからだとも考えることが出来ますよね。
管理人の一言
本来は体に良い影響を与えるものとして「活性」という言葉を付けられたんでしょうが、現代病の90%がこの「活性酸素」から引き起こされるとは皮肉なものですね。